冷え性対策で注意点は?

一般的な冷え性対策としてスパイスで血行をよくし、体の内部から温める方法と、湯たんぽなどで外部から温める方法がありますが、どれもやりすぎには注意が必要です。

唐辛子の食べ過ぎ

スパイスの摂りすぎに注意しましょう。

唐辛子を含めたスパイスは、体を温めるとともに内臓に刺激を与えます。

唐辛子は胃や腸に刺激が強いので、内臓を荒らしてしまうこともあります。

特に胃腸の弱い人は、辛いものを大量にとると体調を悪くしてしまう可能性があります。

また、辛いものは確かに一時的に汗をかくほどに体が温まります。

しかし、その後にリバウンドのように強い冷えを急に感じることがあります。

これは、汗をかいて急激に体温が奪われることからです。

冷え性対策にスパイスをとるなら、自分の体調を見ながら、適量を摂取しましょう。

湯たんぽで低温やけど

直接肌に湯たんぽを長時間あてると、低温やけどの危険性があります。

湯たんぽの容器に布を巻きつけて使っていても、湯たんぽの容器の種類や湯の温度によっては、低温やけどで水ぶくれができることもあります。

湯たんぽに布を巻きつけていても、必ず寝巻の上から湯たんぽを当てるようにしましょう。

次第に、自分に適当な使い方がわかるまで、慎重に取り扱いましょう。

男性も冷え性になる?

最近では男性にも冷え性の症状が多くなっているといいます。

その原因は、食生活の乱れ、運動不足、胃腸の働きが悪い、動脈硬化、ストレスによる自律神経の乱れ、更年期障害などが挙げられます。

食生活の乱れ

食生活の乱れが冷えを誘発します。

味が濃いものやコンビニエンスストアの弁当の中には、多くの食品添加物や塩、油といった胃腸を疲れやすくするものが含まれています。

胃腸が弱くなっていると、食べ物の栄養を十分に吸収できなくなり、熱を生み出す力が弱まってしまいます。

外食や弁当の食事が続いているような人は、1度食生活を見直してみてはいかがでしょうか。

運動不足

運動不足になっていると、筋肉からの熱が生み出せなくなります。

筋肉からの熱がないことで、体が冷えた状態になります。

特に、外回りではなく、デスクワークが多い人は簡単なストレッチなどで体を動かすようにしましょう。

動脈硬化

食生活の乱れやたばこをすいすぎると、動脈硬化が起こり、血管が細くなります。

動脈硬化は、血液中のコレステロールや中性脂肪が増えた状態で、血液がドロドロになるため、血管が詰まったり、血行不良になります。

そのため、血液が体の末端までいきわたらなくなり、手足の先が冷えるようになるのです。

更年期障害

男性の更年期障害で、冷えが出ることがあります。

疲れやすい、気力がわかない、性欲の低下、肩こり、頭痛などの症状以外にも注意が必要です。

女性に冷え性が多い理由とは?

最近では男性にも冷え性がみられるようになりましたが、それでも冷え性は圧倒的に女性に多く見られる症状です。

その理由は、男性よりも女性のほうが冷えやすい体の構造になっているためだといわれています。

ひとつは身体の構造の違いにあります

月経・卵巣がある

卵巣や子宮という女性特有の内臓は、特に血液が滞りやすいのです。

そのため、女性は体全体に熱が運ばれにくく、冷えやすいのです。

また、毎月生理になると一時的に血液量が減ります。

赤血球で運ばれる酸素の量が減ることで、食べ物が分解されにくくなり、体のエネルギー源が不足し、冷えやすくなります。

筋肉が少ない

女性は男性に比べてもともと筋肉量が少なく、筋肉がつきにくい体の構造です。
そのため男性よりも冷えやすいのです。

筋肉の果たす役割の中に、体の熱を作り出すというものがあります。

筋肉が生み出す熱によって、温められた血液が全身をめぐり、体温を保っています。

脂肪が多い

女性は男性に比べて、体に脂肪がたくさんあります。

妊娠・出産のための保護の役目を果たすように、という体の構造です。

この脂肪は一度冷えてしまうと元の温かさに戻りにくい性質があります。

だから、脂肪が多い女性のほうが冷えやすいのです。

女性ホルモン

女性ホルモンのバランスが崩れると、体温を調節する働きがある自律神経が乱れます。

自律神経が乱れると、血行が悪くなります。

女性が経験する初潮・生理・妊娠・出産・閉経は、女性ホルモンのバランスが大きく変化するときです。

この時期には自律神経のバランスが崩れやすく、冷え性になりやすくなります。

ふたつめは生活習慣の違い

薄着ファッション

女性の薄着ファッションは体を冷やす大きな原因です。

寒い季節や冷房が効いている場所にもかかわらず、ミニスカート、薄い素材の洋服、素足など、流行のファッションを身につけています。

体型をスリムに見せようとして、体を締め付けるような下着を着用していると、血液の循環が悪くなります。

ダイエット

ダイエットをするときに「食べない」ことを選択すると、冷え性になることがあります。

食べる量を極端に減らしたり、野菜ばかりの偏った食事を続けていると、栄養不足になり、エネルギーが作られなくなります。

エネルギーが作られなくなると、熱が生まれにくく体が冷えてしまうことになるのです。

また、食べないことで貧血になると、血の巡りが悪くなります。

冷え性対策8→栄養改善

食べ物で冷え性対策を行う方法もありますが、なかなか忙しい毎日で決まった食材を摂取するのは難しいかもしれません。

そんな時は、特定の栄養素をサプリメントで補いましょう。

冷え性改善には、ビタミンと鉄分が効果的です。

ビタミン

ビタミンB1

糖質をもやし体を動かすエネルギーを生み、体の熱を効果的に生み出します。

  • 豚肉
  • マグロ
  • ゴマ
  • ホウレンソウ
  • レバー
  • イワシ
  • 焼き海苔

などに含まれています。

にんにくやニラなどに含まれているアリシンという成分が、ビタミンB1の吸収を助けます。

ビタミンE

また、血行を良くするための毛細血管を広げ、体を温める効果があります。

冷え性だけでなく、肩こり、更年期障害、成人病予防にも使用されていて、幅広く体を調整する役に立っています。

  • イワシ
  • カボチャ
  • ホウレンソウ
  • たらこ

などに含まれています。

油とともに摂取すると吸収率がいい特徴があります。

鉄分

鉄分は体内の温度が下がることを防ぎます。
また、血液中のヘモグロビンに鉄分が含まれているために、貧血や体力不足を解消する働きを持っています。
女性に貧血が多いのは、月経などによる生理現象のため、鉄分が不足するからです。
鉄分が不足すると酸素を運ぶ力がなくなり、体力不足、冷え性の原因になります。

  • レバー
  • イワシ
  • ホウレンソウ
  • 牡蠣
  • 海苔
  • 豆腐

などに含まれています。
お茶や紅茶は鉄の吸収を妨げる効果があるので、食事の際には気を付けましょう。

冷え性対策7→ツボ押し

体中に無数にあるツボを刺激すると、血の滞りが解消し、めぐりのいい状態になります。

体の血の巡りがよくなると、臓器の働きが活発になるので、結果的に冷えが改善されるのです。

刺激したツボ部分の血行改善にとどまらず、離れた部位や全身にその作用が及びます。

気海(きかい)

臍よりも指2つ分下のあたりにあるツボです。

腹式呼吸の根本の部分にあるツボです。

このツボを刺激すると、全身すべてに血が通うので、冷え性はもとより全身が元気になる効果が期待できます。

三陰交(さんいんこう)

くるぶしの内側の指4本分上で、骨の際にあるツボです。

女性にとって一番大切なツボといわれます。

冷え性だけでなく、すべての女性疾患(生理痛や更年期障害、不妊症など)にも効果が期待できます。

湧泉(ゆうせん)

足の裏にあり、土踏まずのやや上の中央、足の指を曲げてみたときに、へこむところにあるツボです。

湧泉は、生気が湧き出すツボといわれ、体力や気力を高めて体全体を元気にします。

高血圧症や冷え性などに効果が期待できます。

血行が良くなるので、ほかにもむくみ、疲労感、食欲不振、記憶力低下、不眠、情緒不安定などにも効果があります。

冷え性対策6→漢方

西洋医学では、冷え性を一般的に病気とはみなさない場合が多いです。

しかし、東洋医学では、冷え性を未病、病気のサイン、重大な病気の誘因だと考えられています。

漢方薬による治療は、患者一人一位の体質や症状などを考慮して行われます。

桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)

冷え性の解消に効果があります。

関節の痛みと腫れ、神経痛を和らげます。

通常、四肢関節の疼痛、膨張、麻痺などに用いられます。

加味逍遥散(かみしょうようさん)

更年期障害、血の道症、冷え性、月経不順、月経困難症、不眠症、軽度うつ状態に効果があります。

また、肩こり、めまい、頭痛、動機、不眠、精神不安の症状を和らげる効果があります。

真武湯(しんぶとう)

慢性的な下痢、慢性胃腸炎、過敏性腸症候群、慢性胃炎、胃下垂症、疲労倦怠、めまい、低血圧症、神経衰弱、冷え性、老人性皮膚掻痒症、風邪、脊髄疾患による運動・知覚麻痺、脳血管障害後遺症を緩和する効果があります。

痩せた虚弱者で、冷え、全身の倦怠感、慢性下痢、めまいがあり、平熱が低い患者に処方されます。

冷え性対策5→グッズを使う

体の外側からの刺激で冷え性を解消しましょう。

湯たんぽは、お湯を沸かして入れるだけで、体を優しく温めてくれます。

靴下の中でも冷え性に効果的だといわれているのが、5本指靴下です。

腹巻で、体の体幹部分であるおなか周辺を直接温めます。

湯たんぽ

湯たんぽ

沸かしたお湯を金属やウレタン素材の容器に入れて体を温めるために使います。

ガスも電気も使わないことから経済的です。

電気毛布などの電機で温めるタイプに心配されるような電磁波の影響も、湯たんぽなら心配ありません。

高価ながら熱伝導率の高い純銅製の湯たんぽならば、1回湯を入れるだけで、長時間その温かさが持続するので、じっくりよく温まります。

5本指靴下

5本指靴下

通常の靴下では、足の指の間に掻いた汗が冷えて、体温低下を招いてしまいます。
しかし、その点5本指靴下では足指の間の汗を吸収します。

吸湿性・放湿性の高い絹の5本指靴下を最初に履いた上から、天然素材の靴下を重ねて履き、足元を常に温めると効果が高いです。

この時、靴下の重ねばきで、締めすぎて血行を悪くしないように注意しましょう。

腹巻

人の体の体感部分であるおなか周辺を直接温めると、内臓に集まった血液が手足の先に流れるようになります。

腹部は脂肪が多いところです。

一度冷えてしまった脂肪は温まりにくく、一度腹部が冷えると子宮や卵巣いも影響が及んでしまいます。

子宮や卵巣が冷える状態が続くと、婦人科疾患のトラブルに発展することもあります。

冷え性にも、その後の婦人科疾患の予防のためにも、腹部や腰部を温めましょう。

冷え性対策4→お茶選び

毎日飲む飲み物の中にも、体を冷やすものと体を温めるものがあります。

温かいお茶だから体を温めるとは限らないのです。

発酵しないお茶は体を冷やします。

反対に、発酵が進んだお茶ほど体を温める効果が強くなります。

かりん茶

かりん

韓国の伝統茶で、はちみつとかりんの風味が味わえます。

かりんには「かりんポリフェノール」という成分が含まれ、のどの炎症、ぜんそくの咳止めの効果もありまます。

冷え性の改善にも有効です。

ヨモギ茶

ヨモギ

ヨモギの成分は、人間の血液成分のヘモグロビンと分子構造がよく似ています。

きれいでサラサラな血液を作り、末梢血管を拡張して血液が体の隅々まで行き届くようにする作用があります。

冷え性の改善、高血圧、神経痛、喘息、腹痛、胸やけ、胃腸の弱い人、下痢、便秘、血尿、痔、体質改善、食欲増進、胆汁分泌促進、などに効果があります。

プーアール茶

プーアール茶

脂肪の吸収をブロックすることから、ダイエット効果があるといわれます。

滋養強壮効果、体を温める効果、むくみ、ニキビに効果的です。

冷え性対策3→入浴法

ぬるめの湯でじっくりと温まることを心がけましょう。

シャワーだけでは、体の芯まで温まることはできず、体に冷えをため込んでしまいます。

風呂に入るときにも、熱いお湯だと体を芯から温めることはできません。

40度以下のぬるめの湯で長時間温まりましょう。

半身浴

38~40度くらいのぬるめの湯に、臍の上くらいまで20~40分くらいつかります。

血行が滞りがちな下半身を集中的に温めると、溜まっていた血液が全身をめぐり芯から温まります。

高温の湯に全身つかると、血圧が上がる心配がありますが、半身浴にはその心配がありません。

循環器系の病気の人にも安心です。

温冷浴

お湯と水、交互につかる入浴法です。

体に負担がかからないように40度くらいのぬるま湯に半身浴で入ります。

その後、水風呂、若しくは水シャワーを浴びることを繰り返します。

血液循環が良くなります。

皮膚への刺激が自律神経を刺激し、その機能を整える効果もあります。

分裂浴

10~15分間湯につかり、2~3分間浴槽から出ることを繰り返します。

同じ温度の湯に長時間使るよりも、体がよく温まります。

冷え性対策2→運動で冷え性対策

冷えとは、血液の循環が悪くなることから生じます。

足首と足の指を動かす、ふくらはぎを動かす、手先を動かす、体の中心部を動かす、足の裏を刺激する、といったちょっとした運動の積み重ねが冷え性対策になります。

足首と足の指を動かす

足の関節をほぐして、血液のめぐりを良くしましょう。

冷え性の原因の1つが、足の関節の機能低下です。

  • 足首を伸ばしたり、回したりする
  • 足の指をグー・パーをするように動かす

ふくらはぎのストレッチ

ふくらはぎの筋肉は、血液を心臓へ送る重要な働きをしています。

ふくらはぎの筋肉を動かすことで、血液のめぐりを良くします。

  • 立ったままでも、座ったままでもいいので、かかとを上げ下げする(段差につま先を乗せて、かかとの上げ下げをすると、より強力なストレッチができる)
  • アキレス腱伸ばし

手のストレッチ

手先が冷える場合は、手首の筋肉を意識的に動かすようにしましょう。

手首の筋肉の収縮で、血液循環が良くなります。

  • 手首を回す
  • 腕を伸ばした状態で、手のひらを反す

体の中心部を動かす

体の中心の筋肉を動かすことで、腰をひねるよりも筋肉を大きく収縮されることができ、血液のめぐりがよくなります。

足をそろえてまっすぐに立ち、ゆっくりと状態を前に倒します。

これを5~10回繰り返します。

足の裏をたたく

足の裏をたたいたり、揉んだり、青竹踏みをしたりしましょう。

足の裏にはツボが密集しています。

足裏を刺激することによってツボを刺激し、足先の血行を改善します。